物流ストーリー
シエラレオネ共和国ディーゼル発電機輸送
大森廻漕店は、1980年代よりザンビア向け硫酸プラントの輸送から多数のプロジェクト輸送案件の取扱を行ってます。
アフリカのみならず、東南アジア、太平洋州を中心に主にODA案件の輸送を取扱っております。
今回は、西アフリカにあるシエラレオネ共和国ディ-ゼル発電機の輸送プロジェクトを紹介します。
 
 

序章

輸送経路マップ_01
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2002年に11年間に及ぶ内戦が終結したシエラレオネ共和国。内戦の結果、電力施設も壊滅的な打撃を受け、運転可能な発電設備は7台のうち2台のみである。逼迫した電力事情を改善する為、ODA無償資金協力により、日本政府から10メガワットのディ-ゼル発電機の供与が決定され、プロジェクトに参加する事になった。日本からディ-ゼルエンジン発電機2台及び資機材、日本以外から出荷される海外調達品の現地発電所迄の輸送を行うのが当社の役割である。
 
 

2008年末

初めて取扱を行う国であり現地代理店探しから始める事になったが、過去の経験と実績及び世界80カ国にある代理店網を駆使する事で今回の輸送を任せられる代理店を見つける事ができた。
現地の電力事情が逼迫しており、完工予定は、2009年度末とされた。重量が50トンもあるディ-ゼルエンジンを十分な輸送機材がないシエラレオネ国内で、安全に且つ限られた予算内で輸送するのが今回の輸送のポイントとなる。現地調査の結果、輸送距離は短いものの、簡単な輸送では無い事は判ったが、輸送ル-ト、輸送機材の確認が取れ、2009年初夏からの開始される船積みについて、具体的な協議を関係者と開始し、輸送計画の承認を得た。

2009年5月

トラックによる搬入試験01
トラックによる搬入試験01
発電所工事担当のエンジニアリング会社より、発電所建屋搬入口の高さが当初の予定よりも低くなっているとの連絡を受ける。
建屋は、既に完成しており構造上、高さの変更を行う事は不可能である。予定していた機材では、搬入出来ない為、さらに車高の低い輸送車両を探すべく担当者は再度現地へ赴いた。
元々、輸送機材が不足している国で、対応できる機材を見つける事は困難であると予想していたが、予想通り当初予定していた輸送業者では対応が出来ない事が判った。



トラックによる搬入試験02
トラックによる搬入試験02
その後、現地代理店と協力しシエラレオネ国内のみならず近隣諸国まで探す事で、搬入口の高さをクリア出来る機材を保有している業者を見つけ出す事が出来た。実際に輸送車両を建屋まで輸送し、搬入路のクリアランス等を確認し問題ない事が判ったが、高さについては、数センチの余裕しかなく、実行時に細心の注意を行う必要がある。
 
 

2009年6月

L7での梱包作業01
L7での梱包作業01
本体に先行し、日本及び海外から工事資機材、機材の出荷が始る。特に海外出荷品は、3国間貿易の形態を取る為、現地代理店、サプライヤ-との綿密は打合せが要求される。











L7での梱包作業02
L7での梱包作業02
発展途上国にありがちな、不明確な輸入手続きについても過去の経験と実績、現地代理店の協力もあり大きな問題になる事なく、現地へ到着した貨物は、順調に搬入されていく。
 
 

2009年7月

L7での本船荷役
L7での本船荷役
工場から出荷された、ディ-ゼルエンジンは重量の関係で内航船を使用し当社神戸港の岸壁へ直接搬入され、梱包作業後船積みを行う。(自社で保有している120トンクレ-ンを使用する事で、無駄な横持ち費用を発生する事無く重量物の梱包作業を行う事ができます。)
当社岸壁へシエラレオネ向けの在来船を直接着けて荷役を行い船積みを行う。現地へ入港するのは10月の予定である。
 
 

2009年10月 (1)

揚地での本船荷役
揚地での本船荷役
船は予定通り10月にシエラレオネのフリ-タウン港へ入港した。そのタイミングで日本からスーパーバイザーを派遣する。
荷役作業は、現地の作業員が行う事になるが荷扱いは非常に悪く、万が一破損等の事故が発生した場合工程に大きな影響を与える事になる。
その為、破損事故が発生しないように荷役中は張り付きで荷役の監督を行う必要がある。それと、平行し荷揚げされた貨物の状態を確認する必要がある。
エンジン本体は、直接輸送用車両の荷台に卸す事になるがエンジンの向きを間違えると発電所構内での据付作業が出来なくなるので細心に注意が必要となる。
 
 

2009年10月 (2)

市内中心部での輸送
市内中心部での輸送
いよいよ、エンジン本体の輸送が始まる。
出発前に再度、高さを確認するが予定通りの高さであるが気は抜けない。港から発電所までは数キロとなるが市内中心部を通行する事になり、電線、電話線を切断しないように注意する必要がある。又、道幅が非常に狭く人の往来も多いので人身事故にも注意しながら輸送することになる。発電所に到着し、構内へ慎重に車両を進入させる。







発電所構内への搬入作業01
発電所構内への搬入作業01
懸案であった搬入口の高さはギリギリクリアし無事搬入する事ができた。その後、エンジニアリング会社による、エンジンの据付作業が始った。











発電所構内への搬入作業02
発電所構内への搬入作業02
エンジンの据付作業が始った事を確認したスーパーバイザーは、やっと輸送が終了した事を実感できた。
 
 

おわりに

予定通り発電所は2009年度末に完工し、シエラレオネの人々に電力を供給している。