EPAやRCEPといった実務的な話の前に、ひと休み。
今回は私の好きな「機械式腕時計」を例に、ニッチな視点でお話ししたいと思います。
多くの時計好きがそうであるように、私は買えもしないのに、動画など見て、これがいい!これを腕にしたらテンション上がる!と妄想しています。
私が20代の頃(30年くらい前)、ロレックスやオメガは頑張れば、それでも手の届く存在でした。
コロナ禍以降、高級時計全般の価格高騰が止まりません。背景には様々な要因があると思います。
原材料費や人件費の高騰
・ケース素材の金など、貴金属の価格上昇。
・ギョシェ加工等、高度な技術をもつ職人確保の為の人件費アップ。及び育成コストの増加。
歴史的な円安・スイスフラン高
・スイス製の高級時計の場合、スイスフランに対する円安の影響が非常に大きく、日本国内での値上げに直結しています。
ブランド戦略
・人気ブランドでは、需要が供給を圧倒しており、ブランド価値維持のための戦略的な値上げも行われています。
私は専門家ではありませんが、個人的に調べてみた結果、これらの理由があるようです。
関税の影響は「ゼロ」?
職業柄、「これだけ値上がりして、関税分も値段に反映されているのか?」と疑問に思いました。
けど日スイスEPAがあるよな。とも思い、調べました。
実は腕時計は関税分類(HSコード91類)において、協定税率がFREE(0%)なのです。
トランプ関税の記事で述べましたが、関税は、国内産業を守る意図もあります。
自動車もそうですが、国内産業が強いものは関税FREEなのかな。と思いました。
しかし、よくよく調べるとそうでもないのです。
腕時計が無税品目である背景には、WTO(世界貿易機関)の前身GATTの国際的な関税交渉の歴史があります。
1970年代後半の東京ラウンドにおいて、主要先進国間で鉱工業品の関税撤廃・大幅削減が進められ、
日本もこれに倣い多くの品目で関税を撤廃しました。
これは国内産業保護というより、自由貿易体制に基づく措置です。
輸入している腕時計については、関税は価格上昇には関係なかったのですね。
革靴やバックを購入する時も、イタリア製と日本製、価格だけで比較するとどちらがコスパが良いか。
関税の事を知ると判断材料の1つになるかもしません(こちらは有税です)。
ニッチな視点ですが、関税は意外と身近なものですよね。
今回、関税分類など、聞きなれない言葉がでましたが、後々ご説明します。
次回こそ、企業がこのEPAやRCEPといった制度をどう使って、どんなメリットがあるのか、掘り下げてみます。お楽しみに!