前回、RCEP(地域的な包括的経済連携協定)についてお話ししました。
現在、日本は様々な国や地域とEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)といった国際的な取り決めを結んでおり、その数は広がりを見せています。
これらの協定を活用する上で非常に重要なキーワードが、今回ご紹介する「原産地証明書(C/O)」です。
前回のブログでは触れておりませんでしたので、今回はこの重要な書類について解説していきます。
HSコードについては次回ご説明することとして、早速本題に入りましょう。
原産地証明書(Certificate of Origin - C/O)とは?
原産地証明書(C/O)は、輸出入される貨物が特定の国や地域で完全に生産、製造、または加工されたことを証明する書類です。
いわば、貨物の「国籍」を証明する重要な書類と言えます。
なぜ必要なの?メリットは?
主な目的は、EPA等の国際協定を利用して、輸入時の関税の優遇措置(減税または免税)を受けるためです。
その貨物が協定の対象となる「原産品」であることを税関に証明するために、この証明書が必要となります。
※ 原産地証明書(C/O)は、原産地規則・品目別規則といったルールを満たしている必要があります。
※ 輸入者は、税関から原産地証明書の内容に関して、説明を求められる場合があります。
最大のメリットは、原産地証明書を輸入国の税関に提出することで、通常よりも低い協定税率(EPA税率)が適用され、結果としてコスト削減につながる点です。
ただし、「例外」もあります。例えば、課税価格が20万円以下の場合や、物品の性質・形状から原産地が明らかな場合など、一部提出が不要となるケースもあります。
(出典:税関 カスタムスアンサー「1502 特定原産地証明書について」。及び、関税法基本通達68-5-7より。)
誰が発行するの?
原産地証明書には、いくつかの種類と発行方法があります。
・第三者証明制度:日本国内では、商工会議所が、輸出者の申請を受け発行します。
・自己証明制度:RCEPやCPTPPなど一部のEPAでは、協定の締約国の輸出者や輸入者自身が原産性を証明できる「自己証明制度」も導入されています。
・認定輸出者制度:RCEPなど一部のEPAでは、当局より「認定輸出者」としての認定を受けることで、自ら原産地申告書(第二種特定原産地証明書)を作成できます。
日本に輸入される貨物に対しては、輸出者が現地の発給機関に申請し、発行されるのが一般的です。
まとめ
今回は、EPA(経済連携協定)を活用する上で欠かせない「原産地証明書(C/O)」について解説しました。
・C/Oは、貨物の「国籍」を証明する重要な書類です。
・最大の目的は、輸入国での関税優遇措置(減税・免税)を受けることで、コスト削減に直結します。
・発行方法は「第三者証明制度」(商工会議所)と、RCEPなどで導入されている「自己証明制度」「認定輸出者制度」があります。
適切に原産地証明書を活用することで、スムーズかつコスト効率の良い貿易が可能になります。
※我々のような通関業者が、代理で商工会議所に申請したり、自己証明書を作成することはできません。
次回は、原産品判定の基礎となる、「HSコード」について詳しくご説明します。
HSコードは通関業務において非常に重要な分類コードですので、ぜひご覧ください!